●板垣公一さんがFRC-300を手放されます2017/01/28 17:29

●板垣公一さんがご愛用の準RCのFRC-300望遠鏡を手放されます。
超新星発見家として有名な板垣公一さんが、機種変更のため愛用のタカハシFRC-300型 30cm F7.8 焦点距離2348mm の準リッチー・クレチアン式反射望遠鏡を手放されます。
「有効に使ってくださる人にお譲りしたい」ということで、このブログでのご案内を頼まれました。
イメージサークルがφ90もあり像面が平坦で、本来は中判カメラでも隅々まで鋭い星像を結ぶ写真撮影用の光学系です。周辺光量も充分でFも比較的明るく、デジタル一眼レフや冷却CCD(CMOS)には、最適の星野撮影用望遠鏡と思います。

FRC-300鏡筒と光路図。 高橋製作所様のご厚意により写真と図を転載させていただいています。

FRC-300は、昔、天ガで「徹底的に良い望遠鏡を作ろう」と、機材頒布企画の一環としてタカハシ製作所と相談して完成した懐かしい望遠鏡です。
決して性能が不満で手放されるのではなく、板垣さんがご使用の冷却CCDカメラの画素が25μmと大きいため、特性の適したもっともっと長い焦点距離が必要になったため惜譲されます。ちなみに、もっと長い焦点距離の望遠鏡とは Celestron C14型シュミット・カセグレンのことです。
板垣スペシャルとも言えるこのFRC-300望遠鏡は、板垣さんの地元山形でタカハシの赤道儀に搭載して使われ始め、現在は北関東の観測所に設置されていて、山形からリモートコントロールしています。
写真の南側にある片持ちフォーク式赤道儀に搭載されたのがFRC-300で北側がC14です。
南側がFRC-300。北関東のスライディングルーフにあり、山形からリモートコントロールします。
観測所や望遠鏡の様子は複数のモニターカメラ(モノクロ)で確認。この画像はモニターカメラのもの。
下の写真は山形の制御センター。 観測所は日本各地にあり 6台のパソコンを使用されています。

90万円でお譲りするとのことで、お問合せは「SB工房」の「ご購入とお問合せ」からお願いします。
↓SB工房のホームページ(株式会社輝星)
http://www.ne.jp/asahi/sky/bird/index.html

◆FRC-300とは?
RC(リッチー・クレチアン)式反射望遠鏡は、カセグレン式に広義で使われる名称です。 純粋なRCの光学設計、すなわち係数に応じた双曲面の主鏡/副鏡を使った純RCの他に、変形タイプもいろいろあり、変形タイプは「RC」とも「準RC」とも称されることがあります。 放物面主鏡と双曲面副鏡の純カセグレン式も「RC」と呼ばれることがあります。 観測目的や写真撮影の被写体によっては、生粋の純RCが必ずしも優れているわけではありません。
ちなみにタカハシBRC望遠鏡は口径20cmでF5と明るい純RCです。FRC-300は準RCで、フラットフィールド・リッチー・クレチアンの略号のFRCです。 以下の説明がされています。
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像面を完全に平坦化するフラットナーレンズに合わせて、主鏡/副鏡の非球面率を決定しています。このような準リッチークレチアンでは、純粋な(オリジナル)リッチークレチアンよりも非球面率が強く、より高度な設計となっています。したがって純リッチークレチアン+フラットナーレンズよりも中心球面収差、周辺のコマ、非点、像面湾曲全てに収差が小さくでき、FRC-300では、イメージサークルφ90mmの隅にまで10μm以下というBRC-250と同等の完璧な星像が得られます。また、合焦機構はBRCと同じ方式で確実に固定できる温度補正機構(±5°C)も内蔵しております。
オプションで冷却CCD用のF5.9となるレデューサーも用意しており、これも冷却CCD用としては十分な10~20μmの星像が得られます。
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◆主要データ
FRC式アストロカメラ
有効径=φ300mm
副鏡径=φ125mm
合成焦点距離=2348mm
合成口径比=1:7.8
イメージサークル=φ90mm
メタルバックフォーカス=106.2mm
鏡筒径=φ324mm
鏡筒全長=1030mm(筒先からヘリコイド面まで)
重量=約30kg
※レデューサーはありません。焦点距離を伸ばすオリジナルのエクステンダーは差し上げますとの由。
↓参考URL(高橋製作所)
http://www.takahashijapan.com/ct-products/products/FRC-300.html

コメント

_ 金子三典 ― 2017/02/04 04:06

これ、バッフルが長くて高槻さんのお考えがしっかりと出てますね。

_ ●星爺より ― 2017/02/04 08:28

金子三典様 コメントをありがとうございました。
ご注文いただいているBT38-2三脚、未だ納品できていません。早急に作ります。

FRC-300のバッフルはタカハシさんが綿密に設計したのだと思います。
カセグレンのバッフルは、夜空から接眼部(撮像素子)に直接入る光のカットは当然として、太さや長さや内部の絞り環はコントラストや収差にも影響します。主鏡の大きさと焦点距離を決めて適当な副鏡で拡大する…てな感じで作ってはいけない非常に重要なパーツなんですね。Meade社ではMS-DOSが登場する前からパソコンでバッフルの計算をしていました。さすが専門メーカーです。

30年ほど前、公共用の大きなカセグレン望遠鏡はバッフルの無いものや、あっても適当にパイプを付けただけのが大半でした。 「なぁ~んにも分かっていないんだなぁ」と、とてもガッカリして吐き気がして寝込んだほどでした。
その原因は、望遠鏡の書籍でレンズや反射鏡など光学エレメントだけ描いた図がほとんどだったからだと思います。そういう図も正しいですが、それからは光学エレメントの他に鏡筒やバッフルも図に加えるようにしました(今はどうだか知りません)。
先日、自動導入E-ZEUSⅡを納品した赤道儀に40cmリッチー・クレチアンが載っていたので、鏡筒の入り口から覗いてみたら副鏡の脇から撮像素子が見えました。何も言わずに帰路についたのですけれど。

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