●最優秀作品、おめでとうございます!2017/07/04 05:51

●前回のブログでご紹介した山本 整さんが、
誠文堂新光社 月刊天文ガイド8月号「読者の天体写真」の応募作品 「スマホコリメート法による木星」で最優秀作品を獲得しました! 本当におめでとうございます!

大半の読者は「スマホで撮れたから入選したのだろう」と思われるかもしれません。 しかし「読者の天体写真」は、安価な機材で頑張ったからとか、初心者が努力したから入選とかは全くありません。 作品の出来のみを評価することが最もフェアな選考基準だからです(今でもそうだと思います)。 山本さんの作品は見事な木星画像が評価された堂々たる最優秀作品ですね!
編集部の慧眼と批評の先生の的確な解説に敬意を表します。

このところ星爺は体調が非常に悪いので(後述)、スマホコリメートについてはしばらく経ってからご説明をさせて頂く予定です。 嬉しいニュースなので取り急ぎご報告と簡単な説明をします。
月面や惑星の拡大撮影には様々な手法があります。 カメラでアイピースの中を撮影する「コリメート法」は、昔は「一眼レフカメラを持っていない初心者向けの撮影法」とされていましたが、決してそうではありません。 レンズ構成が多くなるので実際は最も難しい手法です。 スマホのカメラはかなり優秀ですが、レンズが小さいので短焦点のアイピースと組合せるには光軸調整に高度な技術が必要です。 独特の自動露出や動画転送は便利な反面制約も多く撮影には苦労が伴います。

入選作品は汎用のスマホ用アダプターを使っていますが、現在は星爺の作ったこのようなシンプルなアダプターを使っています。 ワンタッチで光軸が精密に合います。 スマホカメラが端に付いていてバランスが悪いので真鍮のバランスウエイトが付いています。 天頂プリズムを併用しています。
望遠鏡はタカハシTSA120型口径120mm 焦点距離900mmの屈折望遠鏡。 現在は様々なバーローレンズやアイピースを試して、さらに明瞭に写す工夫をしている最中です。

月面の静止画撮影は撮像素子の小さなスマホカメラでは、拡大率が低くて像が明るいため(35mm判の数倍)高速シャッターを切ることができ、シンチレーションの影響が少なくシャープに写ります。
もしかしたら、これからは月面の静止画撮影は「スマホに限る!」という新常識が生まれるかもしれませんね。(画像をクリックすると大きくなります)。

スマホで月面が良く写ると言っても惑星は条件が異なるので月面とは全く異なる手法を用います。惑星の場合は拡大率が大きく、シンチレーションで常にブルブル震えているため静止画ではダメ。 最優秀作品のように動画を撮影して数千枚のカットをウェーブレット処理します。 動画撮影はスマホカメラは制約が多くWEBカメラに比べずいぶん不利なので、これをどう解決するかが今後のテーマです。


●眼の健康にはお気をつけください
持病の影響なのか無理をしすぎたのかは不明ですが、片方の眼が突然大きく歪んで暗く見えるようになってしまいました。 この文面も片眼で打っています。 遠近感がないためか1時間も作業をすると吐き気と目眩でダウン。 何時間か寝てまた1時間作業…、を繰り返しています。 SB工房のお問合せのお返事も10日ほど滞っていて 申し訳ありません。
このまま見えなくなってしまうのか? という恐怖もありますが、JILVA-170などの生産が遅れているので、作業を優先して手術は順延してもらっています。
眼が悪くなったら星を楽しむどころではありません。 皆様も眼の健康にはお気をつけください。

※株式会社輝星の運営する「SB工房」はこちらです。
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