●アメリカで起こった皆既日食2017/08/27 18:55

●焦点距離1296mmによるコロナの詳細画像(土生祐介さん)
8月21にアメリカで見られた皆既日食の写真をご紹介します。 星爺は体調不良で行けませんでしたが、弊社(株式会社 輝星)社友の土生祐介さんが見事な写真を撮影されました。 土生さんは弊社のポータブル赤道儀(PanHead EQ、SWAT-200/300/350、JILVA-170)の駆動回路とプログラムを開発していただいている人で、画像処理のプロフェッショナルです。
皆既日食の撮影にはフルサイズカメラに焦点距離500mm~700mmくらいが適すると言われます。 しかし、色彩のないコロナの細部の諧調を捉えるには、ずっと長い焦点距離で分解能を確保することが重要。  これは印刷でも同様(もっと表現しにくい)で、以前、雲の写真集を制作した際にも白い雲の諧調を確保するのに苦心した経験があります。
この写真はBORG107mm屈折+フラットナー+Canon2倍エクステンダーの焦点距離1296mm F12.1とかなり長くして撮影しています。 カメラはCanon EOS5DMKⅡ改良型で自作の自動制御装置を取付け、赤道儀はVixen SP赤道儀の極軸のみを改造して使用しています。
ISO800にて露出時間は1/2000, 1/1000, 1/500, 1/250, 1/125, 1/60, 1/30, 1/15, 1/8, 1/4秒の連続撮影、皆既前半の121コマの画像を合成して得られた写真です。
望遠鏡で観察した感じに写っている内部コロナの構造に注目してご覧ください。 黒い太陽に見え始めている地球照による月面の模様の処理は未だのようです。

◆最近の状況
先々週は、また両足の具合が悪くなり10日間ほど歩けなくなっていました。 眼が不調でこのブログも代打ちを頼んでいます。 お問い合せのメールの返信も滞って申し訳ありません。 先週は眼の手術をしました。 体のあちこちにガタがきて 「終活を急がねば」 と弱気にもなりましたが、気合を入れて奮起し、「孫娘の結婚式にTemptationsのMy Girlを歌うんだ!」と大きな目標を立てました。
JILVA-170は申し訳ありませんが未だ残り20台が未納です。 1日に2台づつ生産できていますのでもうすぐ完了になる予定です。 ユニテック社のSWAT-300/350は、このところの悪天候でPモーションテストが滞っており、何台かバックオーダーとなっています。
必ず復活して生産と新製品の開発に邁進しますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

●皆既日食の連続写真(牛丸幸平さん)
超広角レンズで5分毎に露出した皆既日食の様子。 地平線の夕焼けや空の暗さが実際の皆既日食の雰囲気を醸し出しています。
牛丸さんはウエスト彗星(C/1975 V1)の見事な写真を撮影された伝説の名手です。 岐阜県のご自宅のドームに弊社の自動挿入装置E-ZEUSⅡを装着したアスコの30cm赤道儀で活躍されています。

●フルサイズ換算400mmによる広がったコロナ樋口達治さん
フォーサーズのOLYMPUS OM-D E-M5 MarkⅡに200mm望遠レンズなので400mm相当の広い画角です。 コロナはこんなに周辺まで伸びています。 太陽活動極小期の変化に富み東西に部分的に伸びた独特のコロナをご覧ください。
このカメラにはカメラ内部にHDR(ハイダイナミックレンジ)処理を自動で行なう機能がありますが、今回はそれを使わず後でHDR処理をするための「HDRブラケット」の機能で多段階露出をしています。
樋口さんは皆既日食は初めてのご経験ですが、30年以上前に『天文ガイド』誌で素晴しい天体写真を発表された大ベテラン。 このたび弊社のJILVA-170もご注文いただきました。

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