●今年は健康に気をつけて頑張ります2018/01/24 01:32


●大マゼラン雲と斜め左に小さく見える赤いタランチュラ星雲。
最近は観賞用の写真を撮影していないので、一昨年のオーストラリア遠征時の作品です。 ポータブル赤道儀は弊社の JILVA-170より小型のユニテック社のSWAT-350を使用しています。
オリンパス100mm F2  ISO1600 EOS Kiss X5 絞りF4で6分露出×6枚コンポジット EOS Kiss DigitalX(天文改造)絞りF4で6分露出×5枚コンポジット EOS Kiss DigitalX にHα干渉フィルター(天文ガイド製半値幅20nm)絞りF2.8で7分露出×4枚コンポジットを処理後に合成
SWAT-350によるノータッチ追尾 撮影地:オーストラリア ゴールドコースト

◆最近の健康状態
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昨年の9月からブログを更新できませんでした。 その後はある程度小康状態を保っていたのですが、昨年末から1月22日まで、1ヶ月ほど寝込んでしまいました。  左眼は手術後に何回か眼球の直接注射をしています。 インターネットの閲覧はできますが、メールなどの文字列を見ると激しく嘔吐してしまい(精神的な問題もあるようです)、頂戴したメールに返信できず、各種製作も遅れて、たいへんご迷惑をおかけしています。 深くお詫び申し上げます。
今現在はかなり快調なので、メールのご返事や遅れている作業をこなすようにいたします。
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●ユニテック(株)社長、加曽利哲也さんの作例
ブログ更新の機会に加曽利さんの作例をお目にかけます。 ユニテック社のポータブル赤道儀SWATシリーズも弊社(株)輝星のSB工房が製作しています。 ポタ赤は補助的な簡易赤道儀として使われることが多いですが、「天体写真撮影機のポタ赤こそ高精度な追尾が必要」とのコンセプトで設計/製作し、どれくらいの望遠レンズまで手放しノータッチ追尾ができるかがポタ赤の命と肝に銘じています。
弊社のPanhead EQJILVA-170とSWATシリーズのウォームギヤまわりの基本構造は同じです。 なのでウォームホイールの直径に比例して追尾精度が向上しています。 例えばSWAT-350(ウォームホイール約φ110mm)は全品検査でPモーションは±7″前後のため、300mm望遠レンズの長時間ノータッチガイドが可能。 JILVA-170(ウォームホイール約φ170mm)はPモーション±4~5″で400mm望遠レンズのノータッチ追尾が可能です。 ほっておくだけのノータッチ追尾は“楽で楽で”やめられません!
左の写真はJILVA-170のウォームホイールで、その左の小さなウォームホイールはφ56mmのPanHead EQ用。 右の写真は左から、SWAT-200の内部ユニット、SWAT-350、試作品のJILVA-170軽量タイプ。

●M45プレアデス星団と周辺の分子雲 (画像をクリックすると拡大されます)
シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO1600 2分露出×96枚 ハイライト部分に短時間露出を合成 Photoshopで画像処理 SWAT-350によるノータッチ追尾 撮影地:千葉県大多喜町

光害の少ない場所ほど淡い天体が見えるので、星野写真は星空の良さに応じて淡い被写体まで写った高品質の作品を撮影できます。 空が良ければ天体改造をしていないカメラでも、Hαの赤い星雲がそこそこ写ったりします。 日本の星空はどこに行っても光害だらけなので、星爺は最近20年くらいは国内で本気で星野撮影をしたことがありません。
しかし、デジタル時代の大きな利点は「多数枚コンポジットをすれば光害の中から画像処理で淡い天体をあぶり出せる」ことです。 空の悪さは関係なくなった! と言い切っちゃいましょうか!?
加曽利さんの撮影地は郊外ではありますが、星爺なら絶対に行かないほど光害の多い場所です。 それでも多数枚コンポジットで、非常に淡い分子雲まで捉えていることに注目してください。 極端に言えば、デジタル時代は大都会の真ん中でもコンポジットの枚数を圧倒的に増やせば、星野写真を撮影できるのです(画像処理はかなり難しくなりますが)。

●散開星団 M46とM47(NGC 2422)付近(画像をクリックすると拡大されます)
シグマ APO 300mm F2.8 絞り開放 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4改造) ISO1600 2分露出×14枚 ハイライト部分に短時間露出を合成 Photoshop、FlatAideProで画像処理 SWAT-350によるノータッチ追尾 撮影地:千葉県大多喜町
散開星団が被写体なので、上のプレアデス星団と周辺の分子雲の写真とは逆に、淡い分子雲は描画しないようにバックを暗くした画像処理を施しています。
明るい星の色が出るように高輝度の星には短時間露出を合成、さらにFlatAideProという星野用の画像処理ソフトで輝星を大きくして味を出しています。 ノータッチ追尾の正確さにも注目してください。

●SWAT-350にドイツ式赤緯ユニットを介してBORG107FLを載せた加曽利さんのシステム。
135mm望遠くらいまでは自由雲台1個で搭載、200mm~300mm望遠レンズはアクセサリーの赤緯ユニットなどを介して搭載するのが一般的な使い方です。 300mm望遠くらいまではSWAT-350の優秀な追尾精度を活かしてノータッチ追尾。 500mm望遠やBORG107FLの場合は、バランスウエイトのあるドイツ式ユニットを使用。 M-GENで赤経のみオートガイドを行なっています。

●M31 アンドロメダ大星雲(画像をクリックすると拡大されます)
シグマ 500mm F4 Sports 絞り開放 キヤノン EOS 6D(HKIR改造) ISO1600 3分露出×39枚 ハイライト部分に短時間露出を合成して星の色を強調  Photoshopで画像処理 SWAT-350+M-GENによる赤経1軸オートガイド 撮影地:山梨県上野原市
アンドロメダ大星雲を強調するため、淡い分子雲は描画しないようにバックを暗くした画像処理を施しています。 コンポジットの枚数も少なめです。 最近の望遠レンズはなかなかシャープですね(このレンズは80万円ですが)。

●M42 オリオン大星雲と周辺の分子雲(画像をクリックすると拡大されます)
BORG 107FL+フラットナー1.08×+ HEUIB-IIフィルター 合成焦点距離 648mm/F6.1 キヤノン EOS 6D(SEO SP-4/HKIR改造) ISO1600 5分露出×16枚+3分露出×86枚コンポジット ハイライト部分に短時間露出を合成 Photoshopで画像処理 SWAT-350+M-GENによる赤経1軸オートガイド 撮影地:千葉県君津市/山梨県上野原市 
周辺をトリミングして拡大しています。 星爺の好みで淡い分子雲まで描画する画像処理を強めに施しています。 口径107mmの107FLは2枚玉のアポクロマートですが、紫色のg線のボケがずいぶん少ない設計のようです。 軽いので星野撮影には適していると思われます。

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