●いろいろなお知らせです2020/03/26 11:03

●また体調が芳しくないのと外注業者の倒産などがあり、JILVA-170などの生産が遅れています。 眼の調子も悪くてスマホは扱えますがPCメールが打てずに大変ご迷惑をおかけしております。 深くお詫び上げます。
JILVA-170は1日1台組み立てて残り15台までこぎつけました。 外側にパーツを付ければ完成の個体が目の前に並んでいます。 ご注文されたお客様には、完成したら代打ちでメールをお送りしますので、なにとぞご理解の程お願い申し上げます。


●中古E-ZEUSⅡが2台出ました(ほとんど未使用)
前回ご紹介した出物のE-ZEUS/E-ZEUSⅡ 4台は、1時間で即完売となりました。 その後、E-ZEUSⅡのユーザーさんで大型赤道儀に機種変更された方から、標準型E-ZEUSⅡを2台を下取りしたので整備して格安でご提供します。  今回も早い者勝ちになりそうです。
E-ZEUSⅡについては、前回のブログ(←クリック)とHOME-PAGE(←クリックを)ご参照ください。

下取り品E-ZEUSⅡの価格----100,000円(税別)
※モーター無しの価格です。モーターは別途30,000~50,000円(赤道儀で異なる)で取り付けいたします。
※通常はモーター取付込み205,000円~で販売しているものです。
タカハシNJP赤道儀用のE-ZEUSⅡの例。 赤道儀をお送りいただいてモーターを取付ける他に、お客様に取り付けていただくことも可能です。
上はビクセン旧アトラクス赤道儀とタカハシJP赤道儀のモーター取付作業中。 赤緯が全周微動でない赤道儀には、オリジナルの全周ウォームやハーモニックドライブを用います。 左はタカハシ90S赤道儀の赤緯ハーモニックドライブ。


●JILVA-170 日本仕様試作品の受注中止
試作のJILVA-170(←クリック)は、モニターの役目を終えて生産中止となります。 今回が最後の受注として5台限定で承ります。 ご希望の方はお早めにご下命ください。
日本仕様試作品はSWAT-350と同じ頑丈なターンテーブル仕様で108,000円。 納期は2ヵ月です。
こちら(←クリック)の(株)輝星のSB工房HOME-PAGEにあるメールフォームでご連絡ください。
JILVA-170は今夏を目標に「量産品」として再登場し、常に在庫を蓄えるようにいたします。 「試作品」のように お待たせすることはなくなりますが、30%ほど値上げさせていただきます。 設計も少し変更になります。


●新型ベンチバー
JILVA-170用のベンチバーが新型になりました。  ターンテーブルに2本のハンドル付きネジで固定します。 ポタ赤SWAT(←クリック)にも同様のターンテーブルなので取り付けられます。
新型ベンチバーは中央溝の部分で左右(東西)に動き雲台取付位置も左右に動かせるので、バランスを大ききく変えることができます。 ポータブル赤道儀は、このように左右にカメラを取付けると最も安定します。 縦構図は自由雲台でなくシネ雲台が頑丈で適しています。
片方のカメラが軽すぎる場合のために、雲台の下に取り付ける補助ウエイト(350g)もご用意しました。
新型ベンチバーには丈夫な雲台とカメラを載せ、無駄のないように反対側にサブカメラを載せて、やや東側が重いようにバランスをとってお使いください。 カメラや雲台を高い位置にいろいろ積み上げる人もいますが、積み上げ部分でブレるのでお勧めできません。 積み上げ/接合箇所のブレは、全部「足し算で影響する」ことをお忘れなく!
下の写真は円盤状の補助ウエイト。 左右のカメラの重さが異なる場合に重宝です。 ※新型ベンチバー8,000円、ウエイト3,800円。


●Crazy EQ(クレイジー・イーキュー)の開発
20cm用クラスの中型赤道儀の極軸部分を切り取るイメージで、頑丈で軽量なポータブル赤道儀に仕立てたのがJILVA-170です。 圧倒的な精度と強度が自慢です。 下の写真の中央にあるのが昭和機械製作所の名機SHOWA 20Eのウォームホイール。 右側は歯研磨の完了したJILVA-170用ウォームホイールです。
Crazy EQは一足飛びに40cm用クラスの赤道儀をポータブル化することがコンセプト。 ウォームホイールの直径は30cmと超大型で、 JILVA-170の2倍近く厚さのあるジュラルミンで作ります。 クレイジーなほどの性能を求めて今夏にデビュー。 ご期待ください!


●SWAT-300 Launch Box(ランチボックス)の限定販売
ユニテック社のSWATシリーズは弊社の設計製作でしたが、多忙なため製作からは手を引きました。 SWAT-300/350のパーツが余っているので「SWAT-300 Launch Box」と称して10台ほど限定販売します。 4月末のご案内の予定で、 処分品なので低価格です。
何を隠そう、JILVA-170下部の黒いボディの部分は、市販のアルミダイキャストケースを加工して用いています。 SWATは重くするのと見た目重視でアルミ削り出しボディですが、元々はJILVA-170用ケースを補強するだけで、ギヤも回路も収まるように設計してあります。 SWAT-300 Launch Boxは弁当箱に見えてダサイけれども、 試作品(下の写真)はなかなか快調です。


●ナンチャッテ正立極望のLED照明がモデルチェンジ
ご好評のナンチャッテ正立極望のLED照明が入手困難になってきたので、写真のような外部電源のLED照明に切り変えてゆきます。 単3乾電池2本用のケースを加工して、LED用昇圧回路と輝度調整ボリュームを付け、単3電池を1本使います。 最新の取説(←クリック)に概要を掲載しました。


●出荷時Pモーション補正システム STAR-TREC について
PanHead EQ(←クリック)の取説でご紹介した STAR-TREC(STricly-ARchived TRacking Error Correction)のお問合せが多いので、開発を棚上げしたことをお知らせします。 理由は二つあります。

一つは「ベンチ測定は直前のサンプリングに劣る」という当然の結果。
赤道儀のギヤの精度不足による日周運動追尾の周期性的なヨロメキ(Pモーション)が大きいと、長い焦点距離を長時間追尾することができません。 これを補正するため、モータードライブの登場当時から PEC(Periodic Error Collection)という機能があります。 天体望遠鏡を向けた星空のPモーションをサンプリングして、逆位相で再現/補正するもので劇的な効果があります。
STAR-TRECは出荷時にベンチ測定でサンプリングしてマイコンに焼き込む仕組みですが、使用直前に実際の星でサンプリングする既存のPECのように正確な補正をすることは難しいです。 東西の荷重方向、カメラの重さ、構図、北/南半球でも振る舞いが異なります。 精度の悪いギヤを良くすることはできますが、精度の良いギヤをさらに良くするのには不適当で、場合によっては逆効果のリスクさえあるとの結論に達しました。

もう一つデジタル時代の赤道儀は高精度追尾は不要になったことも棚上げの理由です。
  ISO感度設定はRAW画像には無関係。
 ②星野写真の品質は総露出時間に依存する。
ということからです。 大半の天体写真ファンが勘違いしているので、近々このブログで詳しい解説をします。
フィルム時代の経験から「ISO感度○○で露出○○が適正露出」と、当たり前のように思いますね。 しかし、特別な高感度設定(カメラによるがISO20000以上)でなければ、ISO感度設定は撮像素子の感度を変えているわけではありません。ISO感度設定を変えてもRAW画像の場合は、露出(絞りと露光時間)が同じなら同じデータが保存されるのです(①の件)。
ISO感度設定は、
・背面液晶に出す画像
・カメラ内のJPG画像処理
・RAW現像ソフトの読込み時のレンジ
に反映されます。 が、ここで勘違いの元になるのが RAW現像ソフトがExifに書かれたデータを元に「読込時にレンジを適宜に決めてくれる」ことです。 あたかも撮像素子の感度を変えているように見え、JPG画像と似たような結果が表示されることです。 多数枚スタックソフトが内部でレンジ設定などの処理をやってくれることも勘違いの元になっていると思います。

下の9枚の写真は、蓮尾隆一さんがニコンのデジイチ810Aを用い全て20秒露出で撮影して、RAW現像のレンジがISO感度設定で変わらないようにして検証した、オリオン大星雲のRAW画像です。 左上がISO25600で右下にゆくにしたがい感度を半分に下げて右下がISO100です。 ISO25600は撮像素子の感度を上げてるらしく画像が明るいですが、その他はみんな同じですね。
上記①②から、1枚の露出が少なくてもISO感度設定が異なっても、総露出時間が同じならRAW画像のコンポジット合成後は同じ画像になります。 たとえば、ISO400の4分露出を10枚コンポジットするのと、1分露出を40枚コンポジットするのは同じ結果になります。 ISO感度を変えても同じです。
それであれば、追尾精度が悪い赤道儀は追尾エラーが露呈する前に露出を終了すれば良く、総露出時間が同じになるようにたくさんの枚数を撮影すれば良いことになります。 かなり追尾精度の悪い赤道儀でも、1枚の露出時間を短く切り詰めれば実用できてしまいます。 赤道儀は操作性や強度、携帯性や価格のほうがよほど肝心になりますね。
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・ もはや星野撮影用赤道儀に圧倒的高精度は必要ない。
・ 精度が高いと使いやすいが オートガイドも必要ない。
・ 赤道儀と焦点距離に見合った露出時間にすれば良い。
・露出が短ければ極軸設置もずいぶん甘くてかまわない。
・ ISO感度設定は背面液晶に出る画像の明るさ調整と、
RAW現像読込時のレンジを好みに合せる役目をさせる
ために、試し撮り後に適宜に設定するのが便法です。
※1枚の露出時間を長くしたい事情がなければ、短時間露出のノータッチガイドが快適です。 いくら短時間露出で良いと言っても、1枚があまりにも短時間露出だと「読み出しノイズの割合が増え」ますが、だいたいF4で30秒露出くらい以上なら大丈夫です。 もちろん、ノイズが多くれば、総露出時間はもっと長くしてノイズを減らせば良いのです。
※ナローバンド撮影では像が極端に暗いため、露出時間をずっと増やす必要があります。 その場合にはオートガイドが必要な場合もあるでしょう。 弊社はノータッチガイドが好きですが、ポタ赤に世界で初めてオートガイダーの端子を装備したくらいで、必要に応じてオートガイド装置を装備されることをお勧めします。

◆◆このような理由で、STAR-TRECは長年の開発はもったいないですが棚上げにしました。
左上のISO25600以外は露出時間が同じならISO感度設定に関わらず同じ画像が得られることがわかります。各々セレストロンHD925にQBPフィルターをつけて20秒露出です。


●パンスターズ彗星(c/2017 t2)とアトラス彗星( c/2019 y4)
2つの彗星の増光が期待されています。 アトラス彗星は今が見頃のようです。
JILVA-170のユーザーさんが撮影されたアトラス彗星の写真を掲げます。 お二方ともノータッチガイドです。
山本 幸司さん(大分県)が3月18日に撮影のアトラス彗星。  Red Cat望遠鏡 口径51mm FL250mm F4.9 ニコン810A ISO3200とISO6400 露出59秒で撮影した3枚をコンポジット合成。
斎藤雅也さん(北海道)が3月24日深夜に撮影のアトラス彗星。 ペンタックスSDUF望遠鏡 口径100mm FL400mm F4 キヤノンEOS kiss ISO1600 露出3分 JPG画像1枚。


●SUPERSTAR_Vの彗星データなど

E-ZEUSⅡの純正指定自動導入ソフトのSUPERSTAR_Vに彗星のデータを入れる方法をご紹介します。
SUPERSTAR_Vに全ての彗星のデータ(たんなるテキストファイル)を入れる方法は、以前のブログ(←クリック)をご覧ください。 目的の彗星がコードネームだとわかりにくければ、通称名に打ち直すこともできます。
リストは何個でも入れることができます。 全ての彗星が表示されるとうるさいので、ご自分で明るい彗星だけのリストを作るのも良いです。 天文誌のデータなどを見て既存のリストに1個づつ追加することもできます。
E-ZEUSⅡとSUPERSTAR_Vの組合せでは、彗星の動きを自動追尾する機能もあります。 また、日周運動追尾終了の時間を指定できるので便利です。

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