OnStepに参画いたします2024/12/02 07:27

■OnStep-SB ポルタ経緯台用の頒布■
赤道儀や経緯台にOnStepを取付けると自動導入にできます。 本機は各部をリメイクしているのでOnStep-SBと称します。
今回は、ビクセン製ポルタ(新型ポルタⅡ)経緯台とミニポルタ(新型モバイルポルタ)用で、お客様が取付けるキットの格安限定販売です。

①ビクセン製ポルタ用キット---限定5台
②  〃  ミニポルタ用キット---限定5台
  価格---28,900円(税別、送料別)
③中国製ミニポルタ互換機に取付け済みの完成品
  今回のみの限定3台 価格---46,900円(税別、送料別)
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■頑丈なポルタ経緯台が自動導入になると驚くほど快適なります。
モータードライブを多数製作したノウハウから、ドライバ回路の整合性、長さ47mmの大きなモーター、ベルトドライブ減速比1:5と大幅に改良して、通常の約2倍のパワーとスムーズな動きを得ています。 経緯台用なので自動導入は日周運動の720倍(変更可)の高速です。
取付けは方法は簡単で、ポルタ架台のアリ溝受けの間などに挟む仕組みのため改造なし。 すぐに元に戻すこともできます。
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■操作はスマホの無償OnStepソフトで行ないます。 
人気のスマホソフトSkySafari(下の写真)で星図導入も可能。 パソコンのステラナビゲータなどのソフトでも自動導入ができます。 
細かな操作用にジョイスティックの超小型ハンドボックス付属。オートガイダーも使用できます。
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■電源はDC12Vで入力ジャックは内径2.1mm/外形5.5mm/センター+。 
3A以上をお使いください。 通販で簡単に格安入手できるので付属しません。が、ご入用の場合は用意いたします。
家庭電源ACアダプターなら12V3A以上。 自動車のシガーライターから直に電源を取ることもできます。 各種ポータブル電源も使えます。

■お問合せメールは下記「SB工房」に移動して、画面右上の「ご購入とお問合せ」からお願いします。
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■OnStepとは?■
OnStepとは、Howard Dutton さんとボランティアグループが開発する、誰でも無料で利用できる「オープンソースの望遠鏡制御ソフトウエア」で、寄付金で運営されています。 ドリームに共感した世界中の天文ファンによって常にアップグレードされています。
基本的にはArduinoのワンボードマイコンにインストールし、発生させた制御信号をモーター駆動回路に送って自動導入を行なう仕組みです。 これらの電子回路部分は、非常に安価に販売される3Dプリンター用などのホビー用回路キット(モーターを含む)が使われれることが多く、汎用回路をリメイクしたり自作して性能アップして供給されることもあります。 商用利用も問題なく、メーカー製のシステムに流用されることもあります。

こうした成立ちのため「全て自己責任」で使うことが大前提です。 とくに電子部分は玉石混交でトラブルも多く、うまくゆくか否かはシステムの完成度と利用する人の能力によって決まります。
「なーんだ無償のソフトを使っているのか」とか、逆に「良いものなら使うのが得策」と意見が分かれることでしょう。 品質の保証が他人任せになるのは大きな問題、なので 大半のメーカーは製造者責任から頑なに採用を拒むことが多いです。
「無償のソフトで製品を作るのはズルイ」とのご見解があることは重々承知ですが、弊社はOnStepの高い志に共感して参画します。 ソフト/ハードが熟成されたのを機会に、大幅に改良を加えた上で、少しの利益を乗せて頒布させていただきます。

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紫金山・アトラス彗星の話題など2024/10/07 05:13

紫金山・アトラス彗星(c/2023 A3)
期待の紫金山・アトラス彗星の近日点通過は9月28日。 近地点通過は10月13日です。 10月7日現在、太陽観測探査機SOHOの広視界カメラ(←クリック)の写野にも入って来ました。 
東京大学アタカマ天文台(←クリック)でも観測が行なわれています。
星爺の拙い経験では「彗星の本体(頭)が崩れるとボワーッと尾が長く明るくなる」ようです。 これを記事では「化ける」と表現していました。 なので太陽に温められた近日点通過後に期待ですが、彗星の振る舞いは予想できません。
編集者時代は国立天文台の彗星の研究者の言質を取って、予想記事を作りました(今は知りません)。 出所不明な大袈裟な情報も出ることがあるので要注意。 でも、紫金山・アトラス彗星の近日点通過前の見え方は、オフィシャルな予想よりも明るく大きいような気がします。
近日点通過後は下の図のように西空の低空に見えます。 双眼鏡は必携! 観測/撮影に条件の良いのは、地平線から離れて折からの月明りを受けない10月23日以降になるでしょうか。 しかし、何が起こるかわからないのが彗星なので、条件の悪い20日前の薄暮中にも注目。 薄暮中の写真撮影は彗星を撮るよりも「空を撮る」ようなものなので、カメラを空に向けて自動露出が良く写ることもあります。
紫金山・アトラス彗星の見え方
近日点通過前の写真を掲げます。 図版提供:アストロアーツ

近日点通過前の9月26日の様子。 6cm 300mm望遠鏡+デジイチ 写真提供:笠原隆樹さん(←クリック)
笠原さんは元三鷹光器で天文機材の設計/製作に従事された方で、独立され、今でも天文関係に多大な貢献をされています。
山本さん望遠
山本さん広角
近日点通過後の9月30日の長い尾! ズームレンズ300mm望遠で撮影(上) 10月1日ズームレンズ50mm標準で撮影(下) 写真提供:山本幸司さん
山本幸司さんの撮影風景。 ご友人のJILVA-170(←クリック)と2台体制です。


以下は星爺の全くの素人の見解と希望的予測なことをご了承ください。
彗星の明るさや見事さは、
①太陽に近い
②地球に近い
③頭が大きい
④ダストが多い
⑤分裂や崩れが起きる
----以上で決まるようです。
紫金山・アトラス彗星は、オールトの雲からやって来て、初めて太陽に接近する「バージンコメット」です。 長年公転して「枯れた」彗星ではないので、固まっていないダストがたくさんあるはず。 ダストの尾が長く伸びた見事な姿が期待できます。 反面、太陽に近づくと雲散霧消してしまうのではないかとの予測もありました。 9月28日の近日点通過を過ぎても元気なので、まんまと生き残ったのは良かったですね。
①②のバランスが良く、見やすい位置で見事な大彗星の姿を見せたのはウエスト彗星でしょうか?
①②のバランスがほどほどで、③の頭がとても大きな彗星の代表がヘール・ボップ彗星で、長い間明るい姿を楽しませてくれました。
紫金山・アトラス彗星は①②のバランスはまずまずですが、太陽に近い方向に見えるので観測はしにくそうです。 ③の頭は小さいようでも ④のダストはバージンコメットなので多そう。 太陽から離れても⑤の分裂が起きれば、予報光度は暗くても実際は明るく大きく見えるかもしれません。 ウエスト彗星を暗くしたイメージに見え、尾がうんと伸びる感じになるのではないでしょうか? ⑤が大規模に起こって突然明るく「化ける」ことに期待したいです。
※各彗星の画像はネットで検索してみてください。

クロイツ群の彗星が発見された
①の極端に太陽に近づいた例が1965年11月の池谷・関彗星です。 東京でも淡いけれど長い尾が見えました。 池谷・関彗星は「クロイツ群の彗星」です。 ドイツの天文学者ハインリヒ・クロイツが、数百年前に分裂した巨大な彗星がそれぞれ類似の軌道になって、太陽の近くをかすめるように通過する説を唱え、 サングレーザー彗星と言われるのがクロイツ群です。

先日発見されたアトラス彗星(C/2024 S1)はクロイツ群のようです。 極端なほど太陽に近づき、10月~11月には大彗星になるかもしれません。 未だ正確な位置観測がされていないので、どのような軌道をたどるかはこれから判明します。
まとめて二つの彗星がやって来そう。 期待したいですね!


20世紀最大とも言われた百武彗星
星爺は池谷・関彗星以降のコホーテック彗星を除く全ての彗星を見ています。 1996年3月26日の百武彗星(1996B2)は、間違いなくダントツで一番の大彗星だったと思います。 小さな彗星が地球に異常接近したので大彗星に見えたのですね。 
②については過去200年間で地球に最も近づいた彗星で、しかも真夜中に天頂付近に見えたので観測条件は最高。 尾の長さは100度! 頭は0等級以上で、雄大な姿は天空の大蛇を連想させました。
3月26日の2~3日前に、⑤の分裂や崩れが起きたことが大彗星を生んだようです。 26日の明け方には見る見るしぼんでゆきました。
シュミットカメラで頭部の大写しと、頭の一部が崩れて後方へ飛んで行く様子が100mmレンズで写せたのでお目にかけます。

1996年3月26日の百武彗星の頭部付近。 自作25cm F2.2シュミットカメラ。 奥日光にて。
構図を上にズラしてもっと尾を写したかったのですが、下の100mm望遠レンズと交換したので写せず、ちょっと後悔しています。
同夜にオリンパス100mm F2望遠レンズで撮影。 3枚撮影したのを尾の模様を基準にコンポジット合成したもの。 上の方の左の尾の濃い部分が2~3日前に分裂した塊の名残です。 この分裂がダストをまきちらして彗星を明るく尾を長くしたようです。

自動導入モータードライブE-ZEUSⅡ2023/11/25 10:13

自動導入装置のE-ZEUSⅡを改めてご紹介
E-ZEUSⅡ(イーゼウスツー)は、汎用の自動導入モータードライブです。 小型から大型の赤道儀までE-ZEUSⅡのモーターに交換するだけで自動導入ができるようになります。 パソコンを繋がないときは電源ONですぐ動く高速モータードライブで、Windowsパソコンを繋いで自動導入ができます。  
今まで20年ほど大勢の天文ファンにご愛用いただき、もうすぐ累計400台に達します。

E-ZEUSⅡには下記の二種類があります。
標準型E-ZEUSⅡ(ポタ赤~25cm程度の赤道儀に対応) ※2相HBモーター。
価格=205,000円程度
大型用E-ZEUSⅡ(30cm以上~1m赤道儀に対応) ※5相ハイパワーHBモーター。
価格=250000円~赤道儀に応じて変動。

このページの最後に中古などの出物のご案内があります。
標準型E-ZEUSⅡセットの一例。 これはタカハシNJP赤道儀用。 (写真をクリックすると拡大します)
大型用E-ZEUSⅡは家庭用AC100スイッチング電源内蔵のケース入り。 ご希望があれば右のように赤道儀のピラーのパネルにも取付けできます。
自動導入の純正指定制御ソフトは、WindowsXP以降対応のSUPERSTAR_V(12,800円)。 旧型のパソコンでもサクサク動きます。 導入時バックラッシュ補正、固有の天体の追尾、追尾終了時間の設定、白昼や前回終了場所からの自動導入も可能です。 下記リンクのサイト、望遠鏡ショップ、弊社からご購入になれます。
また、星羊様の制作によるE-ZEUSⅡ用のASCOM Telescope ドライバーをインストールして、アストロアーツ様の「ステラナビゲータ」「ステラショット」でも自動導入できます。 注目のフリーソフト N.I.N.A.(ニーナ)を用いて、プレートソルビングの位置制御、カメラ、フィルターホイール、フォーカサー、ローテーターなどをまとめて使うこともできます。

モーターさえ取付ければE-ZEUSⅡ改造が完成
標準型は赤道儀を送っていただき無償オーバーホールしてモーター取付け改造をします。 大型用は出張して下見や現場作業を行ないます。 モーターの取付けが平易な赤道儀もあれば、大改造が必要な赤道儀もあります。 元の状態に戻せない改造はメーカー様に失礼なので最小限の改造にとどめます。 汎用なので1台のE-ZEUSⅡを複数の赤道儀に使うこともできます。
※お客様がモーターの取り付けをできる赤道儀もあるのでお問合せください。
左はタカハシの名機EM100型赤道儀に取付けたE-ZEUSⅡ用モーター。 右はタカハシNJP赤道儀に取付けたところ。 赤道儀ごとに適したモーターを選択し伝達ギヤなどはオリジナル設計します。
タカハシEM200赤道儀に取付け。 極望の視界を確保する特殊なモーターまわりはオリジナル設計。
標準型E-ZEUSⅡは出荷の半数は評価の高いタカハシ赤道儀用です。
ニコン10cm赤道儀や五藤光学マークX赤道儀には、純正モーターと同じ方法でワンタッチで取付けます。 したがって赤道儀をお送りいただかなくても大丈夫です。
めずらしいユーハン製U150型赤道儀。 とても要領の良い優れた設計で改造は容易でした。

フォーク式赤道儀のE-ZEUSⅡ改造
シュミットカセグレン望遠鏡を搭載したセレストロンやミードのフォーク式赤道儀のE-ZEUSⅡ改造も増えています。 赤緯が全周ウオームの場合は改造は容易です。 赤緯がタンジェント部分微動の機種は全周ウオームの改造も承ります。
ミードのフォーク式赤道儀は回転が軽いため改造は比較的やりやすい。左は20cm用 右は25cm。
大きくて運送が大変なミードの40cmシュミット・カセグレンは通常は出張して改造しますが、赤経・赤緯の主要部のみを送っていただいて、モーター取付け加工をすることも可能です(上の写真)。
下はセレストロンC14型36cmシュミット・カセグレンのフォーク架台のみをE-ZEUSⅡ改造し、別のミード40cm鏡筒を載せるご要望。 フォークの幅を広げてから内側にクレードルとアリ溝受け金具を付けて鏡筒の取替えが迅速にできます。

オススメはミカゲ光器やアスコの大きな赤道儀
昔の赤道儀は大きさに関わらず、ていねいな加工が施され頑丈で極めて高精度です。 とくにミカゲ光器やアスコの大きな赤道儀は素晴らしく、改造もしやすく「E-ZEUSⅡを取付けてくれ!」と赤道儀に言われてる気さえします。
引退する高齢の天文愛好家が増えて、これらの赤道儀は各地で売りに出ていますが、運搬の問題で話がまとまらないことも多いようです。 しかし「餅は餅屋」で運送屋さんに頼めば、クレーン付きのトラックで格安/簡単に運搬してもらえます。 大人3人いれば分解して小型のワゴン車でも運べます。 
長年使った赤道儀はアタリがついて快調。 痛む部分もほとんどないので、E-ZEUSⅡ改造で末永くお使いになれます。
E-ZEUSⅡ改造したN様のアスコ製赤道儀(中古を入手)。 自作の素敵なデザインのスライディングルーフ観測所に収められています。
上は天文学者のT先生ご自宅のドームのアスコ製40cmカセグレン赤道儀。
下は45年前に作った星爺も参加する山梨の観測所のミカゲ光器30cm用赤道儀と、搭載したRASA36型変形シュミット所有者のTさん。 E-ZEUSⅡの自動導入ですぐに撮影できるようにしてあります。
星爺が観測所のRASA36で撮影した M45すばる。 赤道儀の高精度に任せたノーガイド撮影です。

タカハシEM3500型20cm屈折赤道儀をE-ZEUSⅡ改造
茨城県の「プラトーさとみ」のタカハシEM3500赤道儀のモータードライブが故障したため、E-ZEUSⅡで自動導入にしました。 プラトーさとみ(←クリック)
もちろん、高橋製作所様にはお断りして快諾をいただいての改造。 観望会で喜んでいただけるようになりました。 公共施設もアマチュア用と同じ価格設定なので皆さん安さに驚かれます。
EM3500はステッピングモーターの黎明期の製造で、大変なご苦労と当時の最新技術投入の跡がうかがえました。 写真の の部分の大きなパネルにE-ZEUSⅡシステムを全部収めています。
下はタカハシの同じ20cm屈折でも後期型のEM3040型(パノラマ写真)。 駆動系が操作卓に収められていたので流用してE-ZEUSⅡも操作卓の中にあります。

公共施設の大きな赤道儀は赤緯が部分微動で自動導入に適さないことも多いです。 下左は五藤光学15cm屈折赤道儀で、五藤光学様にお断りして赤緯を全周ウオームに改造したもの。 
右は個人所有の五藤光学製赤道儀と30cm屈折望遠鏡。 赤緯は全周ウオーム改造せず、照明付きの目盛環を小望遠鏡で見る手法。 赤経しか自動導入できませんが実用性は高いです。


E-ZEUSⅡ(E-ZEUS)の格安な出物のご案内
中古の旧E-ZEUSと新品在庫の標準型/大型用E-ZEUSⅡを格安出物として放出します。 モーター取付けは別途見積もりにしました。 モーター無しも歓迎します。 
出物は即完売になるので、ご入用の方はお問合せをお急ぎください。  
弊社 株式会社輝星「SB工房」のホームページにお問合せメールの窓口があります。
↓↓
「SB工房」のホームページはこちらです。
旧型の標準型E-ZEUS(モーター別 65,000円)×2台あります。(上の写真)
10年前の旧モデルですが完成度は高いので、E-ZEUSⅡとの実用上の差異はほとんどありません。 モーター取付けは別途見積もり---追加 30,000~35,000円。

標準型E-ZEUSⅡ(モーター別 140,000円)×2台あります。
モーター取付けは別途見積もり---追加 30,000~35,000円。
(通常価格はモーター込み一式 205,000円)

大型用E-ZEUSⅡ(モーター別 170,000円)×2台あります。
モーター取付けは別途見積もり---追加 30,000~35,000円。
(通常価格はモーター込み一式 250,000円~)


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胎内星まつりには参加しません。2023/08/17 07:57

今週末18日(金)~20日(日)に新潟は胎内市で行なわれる恒例の「胎内星まつり」には参加させていただかないことにいたしました。 ブースの確保やパンフレットの広告も完了して、久しぶりに参加の予定だったのですが残念です。 関係者やお客様には大変ご迷惑をおかけします。 深くお詫び申し上げます。

ご注文いただいた製品の納品が遅れていることが不参加の理由です。「胎内星まつり」の時間に生産を頑張ります。
心臓の手術を二回して健康状態は戻ったのですが、どうも完調ではなく作業が進みません。 精神的な問題もあるようです。 加工の大半は外注業者さんにお願いするようになりましたが、自社で加工しなくてはならない部分が遅れてしまっています。
ご理解の程どうぞよろしくお願い申し上げます。  (株式会社輝星/SB工房主宰 星爺こと高槻幸弘)


●棚卸しで出物があります2023/03/26 19:51

決算棚卸しで ①標準型E-ZEUSⅡ ②中古E-ZEUS ③大型用E-ZEUSⅡ ④SWAT-350の格安出物があります。 出物はすぐに売り切れます。 早い者勝ちです。
ご希望の方は下記の弊社SB工房のホームページに入って「ご購入とお問い合せ」のボタンから見積り依頼のメールをください。

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自動導入装置のE-ZEUSⅡとは
E-ZEUSⅡ(旧型はE-ZEUS)は、小型から大型までの赤道儀をE-ZEUSⅡ用のモーターに交換するだけで使える、Windowsパソコン対応の自動導入装置。 パソコンを繋がないときは一般的な高速モータードライブとして電源ONですぐに動きます。
純正指定制御ソフトはWindowsXP以降対応のSUPERSTAR_Vで、自動導入時バックラッシュ補正、固有の天体の追尾、追尾終了時間の設定、白昼や前回終了場所からの自動導入も可能です。
また、星羊様の制作によるE-ZEUSⅡ用のASCOM Telescope ドライバーをインストールすれば、アストロアーツ様の「ステラナビゲータ」「ステラショット」でも制御できます。 リモート天文用にも注目されているフリーソフトのNINA(N.I.N.A.ニーナ)を用いて、プレートソルビングの位置制御、カメラ、フィルターホイール、フォーカサー、ローテーターなどをまとめて使うこともできます。

心臓部のE-ZEUSⅡコントローラ部は同じです。 駆動回路とモーターの変更で、小型~20cm程度の赤道儀に適す2相モーターの「標準型」と、20cm以上の据付赤道儀に適す大きな5相モーターの「大型用」に分けられます。 300台以上の納入実績があります。
今回の出物はモーターをご自分で工作する人のために単体の価格です。
モーターまで一式ご入用の場合は赤道儀に合せたお見積りをいたします。 赤道儀を弊社に送っていただき、オーバーホールなどの整備後セットアップします。
E-ZEUSⅡ用モーターの取付けに際しては、乱暴な改造はせず必ず元に戻せる範囲の加工に留めます。



標準型E-ZEUSⅡ(モーター別 130000円)×1台
昨年の南極観測隊に標準型E-ZEUSⅡ改造の赤道儀が持ち込まれました。 その際の予備にしたE-ZEUSⅡが未使用で戻ってきたので格安でご提供します。
通常価格モーター込み205000円の装置です。

・本体価格130000円(税別)。
※ACアダプター、ハンドボックス、通信ケーブル付き。
・モーター部一式は35000円位(赤道儀による)。
※モーターの取付け、オーバーホールは無償。
テスト入笠山天体観測所入笠山天体観測所
標準型E-ZEUSⅡ。写真はタカハシNJP赤道儀用のモーター。 AC100V入力24V2.7A出力のACアダプターが付属します。



旧型の標準型E-ZEUS(モーター別 65000円)×3台
E-ZEUSⅡの10年ほど前の旧モデルのE-ZEUSの下取り品を整備してご提供します。 3台あります。
旧モデルと言っても完成度は高いので、E-ZEUSⅡとの実用上の差異はほとんどありません。
◆E-ZEUSⅡのE-ZEUSからの改良点
(1)パソコンとの接続をRS232C→USBに変更。
(2)赤緯にバックラッシュ補正回路を付加(ON/OFF可能)。
(3)中速と高速(旧型は連動)の速度を個別に調節可能。
(4)筐体を小型化(幅180mm→150mm)。
(5)周波数表示数字LEDの明るさ調整を付加。
※上記(1)はRS232C→USBを添付します。

・本体価格65000円(税別)。
※ACアダプター、ハンドボックス、通信変換ケーブル付き。
・モーター部一式は35000円位(赤道儀による)。
※モーターの取付け、オーバーホールは無償。
旧モデルのE-ZEUS。パソコンとの通信はRS232CケーブルなのでRS232C→USB変換ケーブルを添付します。 AC100V入力24V2.7A出力のACアダプターが付属します。



大型用E-ZEUSⅡ(モーター別 170000円)×2台
長年E-ZEUSⅡをご愛用されたお客様の新観測所用に大型用E-ZEUSⅡを2台ご下命いただきましたが、残念なことにお客様がご逝去され余剰品となりましたので格安で放出します。 
大型用E-ZEUSⅡは守備範囲が広く、写真のモデルは20cm赤道儀から60cm赤道儀クラスまで対応できます。 幅300mmのアルミケースに電源などすべて収められています。 赤道儀のピラー内部に取付けることもできます。
通常はモーター込みで25万円くらいでご提供しているものです。 30年以上も前に作られた大きな赤道儀が各地で破棄され始めていますが、この時代の赤道儀は精度が優秀なものが多いので、E-ZEUSⅡでまんまと復活する例が多いです。

・本体価格170000円(税別)。
※24V電源内蔵、ハンドボックス、通信変換ケーブル付き。
・モーター部一式は30000円~50000円位(赤道儀による)。
※出張して下見/採寸や整備/取付けをしますが、赤道儀によってはお客様がモーターを取付できる場合もあります。
上が大型用E-ZEUSⅡ。 電源内臓の横幅300mmのアルミケースに納められています。 赤道儀のピラーなどに内装することもできます。 下は大きさの比較のための標準型E-ZEUSⅡ。 



SWAT-350試作品(70000円)×2台
現在は手を離れていますが、(株)ユニテック様のポータブル赤道儀SWATシリーズは、以前は弊社の設計/製作だったのをご存じの人も多いと思います。 初期モデルのSWAT-350(参考価格129000円)の試作の際のインゴットなどが出てきたので、2台組んでご提供します。 操作パネルの色やスイッチなど、一部のパーツや仕様が異なることをご了承ください。 製作にはご下命後2週間要します。

・価格70000円
※単3乾電池6本9Vの電源ケース、USB5.0V電源(ご用意ください)をSWAT用9Vに昇圧する変換ケーブル、12V小型ACアダプター付属。
・フォーク式上下方位微動台座の取付けは10000円追加になります。
SWAT-350。正面と横のパネルやスイッチ類の仕様が変わります。 青色アルマイト仕上げで鏡体の下側はユニッテックの現行品と異なり白アルマイトでなく青になります。
弊社JILVA-170に標準装備の上下方位微動台座は、実はSWATにも流用できる設計です。 かさばりますが、とても頑丈になります。可動範囲は二種類あります。 台座の取付けは10000円追加になります。


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●JILVA-170をようやく納品できます2023/03/24 20:29

受注してお待たせしているJILVA-170が十数台ありましたが、ようやく全て完成にこぎつけることが出来ました。 これから順次最終チェックをして、メールでお知らせしてから出荷いたします。 よろしくお願い申し上げます。 ※特殊なご要望はもう少し時間がかかります。
昨年の秋と今年の2月に心臓の手術を行ないました。どうしても体が動かなかったのが、ほぼ以前の健康状態に戻ってJILVA-170を完成させることが出来ました。 納品遅れでお叱りも頂戴しましたが、多くの人に応援していただき、長い間お待ちいただいたことに深く感謝申し上げます。 今後は順調に生産できる見込みです。
JILVA-170の精密なギヤ関係は自社の設備でないと作れないため、外注業者さんに依頼できないことが遅れてしまった主な要因です。


大型赤道儀に取付けたE-ZEUSⅡ
自動導入装置のE-ZEUSⅡの方は、協力会社の助けを得て順調に作業をしています。 以下に最近取付けた大型赤道儀をご紹介します。
E-ZEUSⅡを制御するプラネタリウムソフトの純正指定はSUPERSTAR_Ⅴです(https://www.sstar.jp/)。
また、星羊様の制作によるE-ZEUSⅡ用のASCOM Telescope ドライバーをインストールすることにより、アストロアーツ様の「ステラナビゲータ」「ステラショット」でも制御できます。 近年リモート天文用にも注目されているフリーソフトのNINA(N.I.N.A.ニーナ)を用いて、プレートソルビングの位置制御、カメラ、フィルターホイール、フォーカサー、ローテーターなどをまとめて使うことも出来ます。
・星羊様のASCOMドライバソフト(←クリック)l
・NINAのサイト(←クリック)
・日本語の説明 名古屋大学天体研究会(←クリック)


E-ZEUSⅡ最大。ミルロイ天文台の40インチ
オーストラリアにあるクーナバラブランのサイディング・スプリング天文台は、口径3.9 メートル望遠鏡(AAT)や口径124cm UK(United Kingdom)シュミットカメラで有名です。
ここから車で15分の山の上にあるミルロイ天文台はアマチュアの所有で、日本からも機材を預けて定期的に訪れる天文グループがあります。 主力機はその昔サイディング・スプリングから移設された口径40インチ(102cm)望遠鏡。 この赤道儀は12年前に自動導入に大改修されましたが故障してそのままだったので、E-ZEUSⅡの出番です。 モーターまわりがE-ZEUSⅡで採用するシステムと同様だったので、一部を流用してまんまとE-ZEUSⅡ駆動に転用することが出来ました。 E-ZEUSⅡの取付けをしてくださったのは、開発スタッフでもある外山保広さんです。 メーカー修理の見積り○千万円が外山さんのボランティアで最新式の自動導入になり、管理者のダナー女史はとても驚き感謝されたそうです。
※『天文ガイド』2023年1月号にも記事が載っています。

巨大な40インチ・カセグレン望遠鏡は、サイディング・スプリングの研究者用でした。赤経ウォームホイールは480枚のモジュール3なので直径1.5m! 1歯の幅は10mmもあります。
恒星時駆動周波数100.27PPS。大きな鏡筒の高速時のイナーシャ-を弱める工夫を追加しています。
名刺は管理者のダナー女史のもの。


神津牧場天文台の口径76cmドイツ式
群馬県甘楽郡下仁田町にある関東天文協会の神津牧場天文台のアスコ製76cm望遠鏡も、E-ZEUSⅡの自動導入に改造して便利になりました。
主に眼視観測を目的とする天文マニアをメンバーとしている私設天文台です。 通年、天体写真講習会を開催するなどの天文普及活動をしています。 会の運営や会報の発行に力を入れているのは、天体写真家の田中千秋さんです。
E-ZEUSⅡの自動導入に改造した赤道儀のこれまでの最大口径は、美星町に移設した海上保安庁水路部の60cmと、経緯台用のA-ZEUSでは日原天文台の75cmでした(両方とも法月技研製)。

島根県は日原天文台の75cm経緯台(左)と神津牧場天文台の76cmドイツ式赤道儀。

元海上保安庁水路部にあった60cmカセグレン式赤道儀は、岡山県の美星天文台から5kmほど離れた大倉龍王山頂上の、井原市星空公園 ドームに移設されて天文普及や研究に活躍しています。 メカは法月技研製。光学系の研磨は彗星捜索家で研磨技術者の池谷薫さん。

井原市星空公園(←クリック)

菅野松男さんの捜索用35cmシュミット・カセ
世界で唯一人の、新星、超新星、彗星、小惑星を発見された四冠王といえば、元明石天文科学館副館長の菅野松男さんです。 西村製作所の赤道儀にセレストロンC14型口径35cmシュミット・カセグレン望遠鏡を搭載され、ご自宅二階の広いベランダに設置されています。 この赤道儀と旧E-ZEUSの自動導入を長年ご愛用をされましたが、昨年の台風で壊れてしまったため、昨年末に新E-ZEUSⅡへの交換と1階からのリモートのシステムを設置してきました。
昨年5月に逝去された奥様の名前をのついた、小惑星6155番 ヨーコスガノが昨年12月いっぱい観測好機だったそうで、供養のために連続観測をされたいとのご希望でした。

西村製作所の赤道儀は40年も前の古いもので、極軸が極端に北に長い「エルボータイプ」です。 このタイプは鏡筒が赤道儀架台にぶつかることが少ないため、自動導入用にはとても適しています。


阿久津富夫さんのセブ島観測所
惑星観測をはじめとしたアマチュア天文家の大ベテラン阿久津富夫さんが、昨年フィリピンのセブ島に移住され、AKUTSU CEBU OBSERVATORYを作りました。天体観測や天文普及ボランティアだ活動です。 観測機材は日本から移設されました。ドームや大きなスライディングルーフがあります。主力機は自作45cm F4ニュートン式反射望遠鏡で、その他にセレストロンC14や太陽望遠鏡などもあります。
セレストロンC14型35cmシュミット・カセグレンの赤道儀は、駆動装置の電子部が故障していたミード製40cmフォーク式赤道儀をE-ZEUSⅡ駆動に改造して搭載しています。 最近はミードのフォーク式赤道儀の回路が耐用年数を越えたためか(?)E-ZEUSⅡ改造をご希望の人が多いです。 

スライディングルーフに収納されたミードの40cmフォーク式赤道儀には、架台西側のパネルの中にE-ZEUSⅡが取り付けられています。 鏡筒は40cmではなくセレストロンのC14型35cmシュミット・カセグレン。 日本からも多くの来訪者が居ます。地元の天文イベントのときなどは大盛況!



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お尋ねです2022/01/05 00:04


ビクセン製の赤道儀にE-ZEUSⅡ装着のお問い合せを2回いただいた「渡邉」様。
watanabeffii------o.jp のメールアドレスのどこかに誤りがあるようで返信ができません。
恐れ入りますが、ご確認のうえ再送信をお願いします。


●いろいろなお知らせです2020/03/26 11:03

●また体調が芳しくないのと外注業者の倒産などがあり、JILVA-170などの生産が遅れています。 眼の調子も悪くてスマホは扱えますがPCメールが打てずに大変ご迷惑をおかけしております。 深くお詫び上げます。
JILVA-170は1日1台組み立てて残り15台までこぎつけました。 外側にパーツを付ければ完成の個体が目の前に並んでいます。 ご注文されたお客様には、完成したら代打ちでメールをお送りしますので、なにとぞご理解の程お願い申し上げます。


●中古E-ZEUSⅡが2台出ました(ほとんど未使用)
前回ご紹介した出物のE-ZEUS/E-ZEUSⅡ 4台は、1時間で即完売となりました。 その後、E-ZEUSⅡのユーザーさんで大型赤道儀に機種変更された方から、標準型E-ZEUSⅡを2台を下取りしたので整備して格安でご提供します。  今回も早い者勝ちになりそうです。
E-ZEUSⅡについては、前回のブログ(←クリック)とHOME-PAGE(←クリックを)ご参照ください。

下取り品E-ZEUSⅡの価格----100,000円(税別)
※モーター無しの価格です。モーターは別途30,000~50,000円(赤道儀で異なる)で取り付けいたします。
※通常はモーター取付込み205,000円~で販売しているものです。
タカハシNJP赤道儀用のE-ZEUSⅡの例。 赤道儀をお送りいただいてモーターを取付ける他に、お客様に取り付けていただくことも可能です。
上はビクセン旧アトラクス赤道儀とタカハシJP赤道儀のモーター取付作業中。 赤緯が全周微動でない赤道儀には、オリジナルの全周ウォームやハーモニックドライブを用います。 左はタカハシ90S赤道儀の赤緯ハーモニックドライブ。


●JILVA-170 日本仕様試作品の受注中止
試作のJILVA-170(←クリック)は、モニターの役目を終えて生産中止となります。 今回が最後の受注として5台限定で承ります。 ご希望の方はお早めにご下命ください。
日本仕様試作品はSWAT-350と同じ頑丈なターンテーブル仕様で108,000円。 納期は2ヵ月です。
こちら(←クリック)の(株)輝星のSB工房HOME-PAGEにあるメールフォームでご連絡ください。
JILVA-170は今夏を目標に「量産品」として再登場し、常に在庫を蓄えるようにいたします。 「試作品」のように お待たせすることはなくなりますが、30%ほど値上げさせていただきます。 設計も少し変更になります。


●新型ベンチバー
JILVA-170用のベンチバーが新型になりました。  ターンテーブルに2本のハンドル付きネジで固定します。 ポタ赤SWAT(←クリック)にも同様のターンテーブルなので取り付けられます。
新型ベンチバーは中央溝の部分で左右(東西)に動き雲台取付位置も左右に動かせるので、バランスを大ききく変えることができます。 ポータブル赤道儀は、このように左右にカメラを取付けると最も安定します。 縦構図は自由雲台でなくシネ雲台が頑丈で適しています。
片方のカメラが軽すぎる場合のために、雲台の下に取り付ける補助ウエイト(350g)もご用意しました。
新型ベンチバーには丈夫な雲台とカメラを載せ、無駄のないように反対側にサブカメラを載せて、やや東側が重いようにバランスをとってお使いください。 カメラや雲台を高い位置にいろいろ積み上げる人もいますが、積み上げ部分でブレるのでお勧めできません。 積み上げ/接合箇所のブレは、全部「足し算で影響する」ことをお忘れなく!
下の写真は円盤状の補助ウエイト。 左右のカメラの重さが異なる場合に重宝です。 ※新型ベンチバー8,000円、ウエイト3,800円。


●Crazy EQ(クレイジー・イーキュー)の開発
20cm用クラスの中型赤道儀の極軸部分を切り取るイメージで、頑丈で軽量なポータブル赤道儀に仕立てたのがJILVA-170です。 圧倒的な精度と強度が自慢です。 下の写真の中央にあるのが昭和機械製作所の名機SHOWA 20Eのウォームホイール。 右側は歯研磨の完了したJILVA-170用ウォームホイールです。
Crazy EQは一足飛びに40cm用クラスの赤道儀をポータブル化することがコンセプト。 ウォームホイールの直径は30cmと超大型で、 JILVA-170の2倍近く厚さのあるジュラルミンで作ります。 クレイジーなほどの性能を求めて今夏にデビュー。 ご期待ください!


●SWAT-300 Launch Box(ランチボックス)の限定販売
ユニテック社のSWATシリーズは弊社の設計製作でしたが、多忙なため製作からは手を引きました。 SWAT-300/350のパーツが余っているので「SWAT-300 Launch Box」と称して10台ほど限定販売します。 4月末のご案内の予定で、 処分品なので低価格です。
何を隠そう、JILVA-170下部の黒いボディの部分は、市販のアルミダイキャストケースを加工して用いています。 SWATは重くするのと見た目重視でアルミ削り出しボディですが、元々はJILVA-170用ケースを補強するだけで、ギヤも回路も収まるように設計してあります。 SWAT-300 Launch Boxは弁当箱に見えてダサイけれども、 試作品(下の写真)はなかなか快調です。


●ナンチャッテ正立極望のLED照明がモデルチェンジ
ご好評のナンチャッテ正立極望のLED照明が入手困難になってきたので、写真のような外部電源のLED照明に切り変えてゆきます。 単3乾電池2本用のケースを加工して、LED用昇圧回路と輝度調整ボリュームを付け、単3電池を1本使います。 最新の取説(←クリック)に概要を掲載しました。


●出荷時Pモーション補正システム STAR-TREC について
PanHead EQ(←クリック)の取説でご紹介した STAR-TREC(STricly-ARchived TRacking Error Correction)のお問合せが多いので、開発を棚上げしたことをお知らせします。 理由は二つあります。

一つは「ベンチ測定は直前のサンプリングに劣る」という当然の結果。
赤道儀のギヤの精度不足による日周運動追尾の周期性的なヨロメキ(Pモーション)が大きいと、長い焦点距離を長時間追尾することができません。 これを補正するため、モータードライブの登場当時から PEC(Periodic Error Collection)という機能があります。 天体望遠鏡を向けた星空のPモーションをサンプリングして、逆位相で再現/補正するもので劇的な効果があります。
STAR-TRECは出荷時にベンチ測定でサンプリングしてマイコンに焼き込む仕組みですが、使用直前に実際の星でサンプリングする既存のPECのように正確な補正をすることは難しいです。 東西の荷重方向、カメラの重さ、構図、北/南半球でも振る舞いが異なります。 精度の悪いギヤを良くすることはできますが、精度の良いギヤをさらに良くするのには不適当で、場合によっては逆効果のリスクさえあるとの結論に達しました。

もう一つデジタル時代の赤道儀は高精度追尾は不要になったことも棚上げの理由です。
  ISO感度設定はRAW画像には無関係。
 ②星野写真の品質は総露出時間に依存する。
ということからです。 大半の天体写真ファンが勘違いしているので、近々このブログで詳しい解説をします。
フィルム時代の経験から「ISO感度○○で露出○○が適正露出」と、当たり前のように思いますね。 しかし、特別な高感度設定(カメラによるがISO20000以上)でなければ、ISO感度設定は撮像素子の感度を変えているわけではありません。ISO感度設定を変えてもRAW画像の場合は、露出(絞りと露光時間)が同じなら同じデータが保存されるのです(①の件)。
ISO感度設定は、
・背面液晶に出す画像
・カメラ内のJPG画像処理
・RAW現像ソフトの読込み時のレンジ
に反映されます。 が、ここで勘違いの元になるのが RAW現像ソフトがExifに書かれたデータを元に「読込時にレンジを適宜に決めてくれる」ことです。 あたかも撮像素子の感度を変えているように見え、JPG画像と似たような結果が表示されることです。 多数枚スタックソフトが内部でレンジ設定などの処理をやってくれることも勘違いの元になっていると思います。

下の9枚の写真は、蓮尾隆一さんがニコンのデジイチ810Aを用い全て20秒露出で撮影して、RAW現像のレンジがISO感度設定で変わらないようにして検証した、オリオン大星雲のRAW画像です。 左上がISO25600で右下にゆくにしたがい感度を半分に下げて右下がISO100です。 ISO25600は撮像素子の感度を上げてるらしく画像が明るいですが、その他はみんな同じですね。
上記①②から、1枚の露出が少なくてもISO感度設定が異なっても、総露出時間が同じならRAW画像のコンポジット合成後は同じ画像になります。 たとえば、ISO400の4分露出を10枚コンポジットするのと、1分露出を40枚コンポジットするのは同じ結果になります。 ISO感度を変えても同じです。
それであれば、追尾精度が悪い赤道儀は追尾エラーが露呈する前に露出を終了すれば良く、総露出時間が同じになるようにたくさんの枚数を撮影すれば良いことになります。 かなり追尾精度の悪い赤道儀でも、1枚の露出時間を短く切り詰めれば実用できてしまいます。 赤道儀は操作性や強度、携帯性や価格のほうがよほど肝心になりますね。
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・ もはや星野撮影用赤道儀に圧倒的高精度は必要ない。
・ 精度が高いと使いやすいが オートガイドも必要ない。
・ 赤道儀と焦点距離に見合った露出時間にすれば良い。
・露出が短ければ極軸設置もずいぶん甘くてかまわない。
・ ISO感度設定は背面液晶に出る画像の明るさ調整と、
RAW現像読込時のレンジを好みに合せる役目をさせる
ために、試し撮り後に適宜に設定するのが便法です。
※1枚の露出時間を長くしたい事情がなければ、短時間露出のノータッチガイドが快適です。 いくら短時間露出で良いと言っても、1枚があまりにも短時間露出だと「読み出しノイズの割合が増え」ますが、だいたいF4で30秒露出くらい以上なら大丈夫です。 もちろん、ノイズが多くれば、総露出時間はもっと長くしてノイズを減らせば良いのです。
※ナローバンド撮影では像が極端に暗いため、露出時間をずっと増やす必要があります。 その場合にはオートガイドが必要な場合もあるでしょう。 弊社はノータッチガイドが好きですが、ポタ赤に世界で初めてオートガイダーの端子を装備したくらいで、必要に応じてオートガイド装置を装備されることをお勧めします。

◆◆このような理由で、STAR-TRECは長年の開発はもったいないですが棚上げにしました。
左上のISO25600以外は露出時間が同じならISO感度設定に関わらず同じ画像が得られることがわかります。各々セレストロンHD925にQBPフィルターをつけて20秒露出です。


●パンスターズ彗星(c/2017 t2)とアトラス彗星( c/2019 y4)
2つの彗星の増光が期待されています。 アトラス彗星は今が見頃のようです。
JILVA-170のユーザーさんが撮影されたアトラス彗星の写真を掲げます。 お二方ともノータッチガイドです。
山本 幸司さん(大分県)が3月18日に撮影のアトラス彗星。  Red Cat望遠鏡 口径51mm FL250mm F4.9 ニコン810A ISO3200とISO6400 露出59秒で撮影した3枚をコンポジット合成。
斎藤雅也さん(北海道)が3月24日深夜に撮影のアトラス彗星。 ペンタックスSDUF望遠鏡 口径100mm FL400mm F4 キヤノンEOS kiss ISO1600 露出3分 JPG画像1枚。


●SUPERSTAR_Vの彗星データなど

E-ZEUSⅡの純正指定自動導入ソフトのSUPERSTAR_Vに彗星のデータを入れる方法をご紹介します。
SUPERSTAR_Vに全ての彗星のデータ(たんなるテキストファイル)を入れる方法は、以前のブログ(←クリック)をご覧ください。 目的の彗星がコードネームだとわかりにくければ、通称名に打ち直すこともできます。
リストは何個でも入れることができます。 全ての彗星が表示されるとうるさいので、ご自分で明るい彗星だけのリストを作るのも良いです。 天文誌のデータなどを見て既存のリストに1個づつ追加することもできます。
E-ZEUSⅡとSUPERSTAR_Vの組合せでは、彗星の動きを自動追尾する機能もあります。 また、日周運動追尾終了の時間を指定できるので便利です。

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