●画像生成AIで---天体写真趣味は目出度くオワコン?② ― 2026/10/08 08:38
●画像生成AIで---天体写真趣味はオワコン?②
前回は同タイトル①で ChatGPT や Gemini 3に 天体写真の 「AI画像処理をやってもらう」 ことについて書かせていただきました。 タイトル②の本稿では、 ChatGPTやGemini 3が正真正銘の画像処理をやってくれるか否かに改めて注目します。 ちゃんと画像処理をしてくれないのであれば、その結果は科学写真ではなくなり、普通の写真ですらないと思うので。
※前回のタイトル①はこのページを下にスクロールするか左のメニューから移動して見られます。
星野写真は、画像の奥に隠れている淡い潜像を 「あぶり出して」 明瞭にする画像処理が醍醐味。 潜像の充分ある優秀な撮影をして元画像を得、被写体ごとに適宜な「あぶり出し」をして仕上げます。 この作業がかなり難しいのでAI君にやってもらおうというわけです。
はたしてAI君は、処理を頼んだ元画像から潜像をしっかり抽出して、正真正銘の(科学的/数学的)画像処理を施してくれるのか? それとも、ネットを学習して 「どこかで拾った画像に手を加えて貼る」 のか? AI学習を元に 「新規に画像を描いて(処理ではない)いる」 のか? に注目。 正しい画像処理が行なわれなければ、作り物の「合成画像」になっちゃいます。
正しく画像処理をしてもらうには、プロンプト(指示文)に 「他の画像を貼るのは禁止」 などの希望や制約や手法を列挙せねばなりません。 星爺は10行~20行ほどのプロンプトで指示しています。
上の作例のM33とM31は、広角レンズで撮影した写真を部分的に強拡大して元画像にしました。 なので元画像の潜像はスッカラカンで、如何に画像処理をしても細部は出てこないはず。 しかし、M33は絵を描いたような怪しげな画像が貼られました。 M31は大口径望遠鏡で撮ったような(実にもっともらしい)画像が貼られました。 これだけもっともらしいと 「自分の画像も大したもんだな!」 と思っちゃう人も居そう。 怪しげと疑いつつも 「良く撮れたのでこのママ使っちゃえ!」 となる人も居そうですね。 バックの星は暗い星を少し消しただけで、そのまま使っているようです。
M27は短時間露出なので星雲の周囲に潜像は少ししかありません。が、写っていないはずの周辺の淡い星雲がドーンと出てきました。 しかも大きさも方向も違う呆れた結果です。
本稿をお読みいただく前に、 自分で画像処理をする代わりに 「AIにやってもらう」 のと 「AIに質問する」 のと 「画像処理ソフトの機能がAIを使っている」 のとでは 全然違うのでお間違えの無きよう! 星爺の 独断と偏見で①②③の区分を再掲載します。
なお、星爺は天体写真を趣味なのだから、画像処理は何をやってもOKと思っています。 科学写真の意識も希薄。 なので③の画像処理ソフトのAI機能は怪しげな部分があっても全面的に許します。
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① AIに画像処理をやってもらう
ここでは画像生成AIと称す。 効果を期待したいが、もっとも警戒せねばならないアブナイ方法。
読み込んだ画像に適切な画像処理を施すのではなく 「AIが学習し記憶した画像を見繕って手を加えて貼る」 のでコラージュに近い。 自分で撮影した画像を元に画像処理をさせても、その上に遠慮なく他の画像を貼り付けてしまう。 プロンプトで他の画像を貼らないように強く指定しても解消されない。 ①は切り貼りやお絵描であり画像処理とは言えないので禁止する必要がある。
② AIに画像処理の手法を質問する
質問の仕方によっては、かなり参考になる良い答えが返って来る。 有効に活用できそう。
基本的には AIが学習した周知済みの多数派のあるいは平均的な手法を整理して答えてくれるので、画期的/新しい試みの示唆はない。
③ 画像処理ソフトのBXT等の AI機能
詳細はブラックボックスだが、基本はデコンボリューション(逆畳み込み積分)や点広がり関数の処理なので科学的な手法。 科学的でない部分もあるが許せる範囲と(星爺は)思う。 自分で撮影した画像を読ませ AIで適切な処理を施すので、 ③のAIは ①のAIとは完全に別物で同列に扱ってはならない。 どんどん利用するべき。
ここでは画像生成AIと称す。 効果を期待したいが、もっとも警戒せねばならないアブナイ方法。
読み込んだ画像に適切な画像処理を施すのではなく 「AIが学習し記憶した画像を見繕って手を加えて貼る」 のでコラージュに近い。 自分で撮影した画像を元に画像処理をさせても、その上に遠慮なく他の画像を貼り付けてしまう。 プロンプトで他の画像を貼らないように強く指定しても解消されない。 ①は切り貼りやお絵描であり画像処理とは言えないので禁止する必要がある。
② AIに画像処理の手法を質問する
質問の仕方によっては、かなり参考になる良い答えが返って来る。 有効に活用できそう。
基本的には AIが学習した周知済みの多数派のあるいは平均的な手法を整理して答えてくれるので、画期的/新しい試みの示唆はない。
③ 画像処理ソフトのBXT等の AI機能
詳細はブラックボックスだが、基本はデコンボリューション(逆畳み込み積分)や点広がり関数の処理なので科学的な手法。 科学的でない部分もあるが許せる範囲と(星爺は)思う。 自分で撮影した画像を読ませ AIで適切な処理を施すので、 ③のAIは ①のAIとは完全に別物で同列に扱ってはならない。 どんどん利用するべき。
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●M45プレアデス星団をAI画像処理
上は200mm望遠で短時間露出のおざなりな撮影で、元画像に潜像はほとんど無いはずが、まとわりつく星雲が盛大に現れました。 しかも星雲の形がずいぶん違う。 変なものを貼られてしまった。
下は800mm F2.2シュミットによる、そこそこ真面目に撮った元画像。 これ以上細部まで写った写真が世間に少ないからか?(AI君の学習はたくさん見て平均するようなので) AI画像処理でむしろ細部の写りが少し悪くなったみたい。 右端に小さな系外銀河UGC2838が写っていますが、AIが銀河と判断しないで線に変えてしまいました。
●南十字とコールサックと IC2944
オーストラリアにてデジイチ+100mm F2 EDレンズをオルゴール赤道儀で追尾撮影。 露出5分の撮って出しで並の出来の元画像(左)をAI画像処理。 プロンプト指示を厳しくしなかったからか? 輝星に十字の光跡が追加され、大きくボカシも入った高コントラストの派手な写真になった。 右に写った赤い散光星雲はIC 2944ですが、AI君が北天のへび座のM16と間違えて勝手に文字を入れてしまいました。
●対角魚眼によるニュージランドの天の川
こちらはオルゴール赤道儀のユーザーTさんが、有名な観光地で対角魚眼レンズで撮影した天の川。 星爺がPhotoshopで地味な画像処理をした左の写真を元画像としてAI画像処理した結果が中央。 派手すぎな傾向はあるものの、これなら手抜きでAI画像処理を使うのも悪くはないか?
AIで変な画像が現れていないか? 画像が歪んでいないか確かめるため、2枚の画像の片方を反転して濃度50%で重ねると 「のっぺりしたグレー」 になり(画像位置検証の常套手段)、 2枚のコントラストに差があると部分的に色が着きます。 それをやってみたら右側の像がズレてレリーフフォトになった。 AI処理の画像の右側が縮んでいるからです。 したがって、AI画像処理の写真は天体の位置測定に使うことは厳禁です。
●月面と惑星をAI画像処理してもらうと---?
古強者の天体写真の名手Hさんに15cm反射で撮った画像を提供してもらいました。 月面は無いはずの山が現れたり太めの谷をクレーターに変えちゃったりしています。 木星は左がHさんが手動画像処理した元画像。 中央がその画像をAI君が再度画像処理したもので細かな模様が描き加えられている。下がその拡大。 拡大のような詳細な画像が出てきたら自分の腕前が上がった! と勘違いする人も居そうです。 上の右側は元画像に20%の濃さにしたAI処理画像を合成したもので、これをやられたら本物画像と嘘画像の区別がつかなくなりそう。 惑星観測者の人達は早い時期からAI画像処理を禁止しています。
●天体写真をAIに画像処理してもらうのは止められない!
ある指導的なサイトに星野写真のAI画像処理について以下のように書かれていました。
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元画像に最初から含まれていたかすかな情報を、AIの画像処理技術によってクッキリと見えるように引き出したものです。 どこか別の天文台の大きな望遠鏡で撮った写真を「合成」して嘘の絵を作っているわけではありません。
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以上のように思う人は多いのかもしれませんが完全に間違いです。 AIにやってもらう画像処理は元画像はほとんど利用しないようです。 本稿では 「潜像のほとんど無い画像」 すなわち 「画像処理の施しようのない画像」 を用いたテストをして、AIは新たに生成した画像や他から拾ってきた画像に手を加えて 「切り貼り」 してしまうことがわかりました。 「こうあるべきだ」 と考え画像処理ではなく描画をするようです。 プロンプトで厳く制約すると、かなり弱い画像処理をするので、ちゃんとした画像処理に見えてしまうようでかえってアブナイ。 ※ブラックボックスなので詮索しても無駄ですが。
とは言っても、AIに画像処理してもらう手法は止められないでしょう。 正しい手法と信じてしまう人、疑いながらも 「まぁ、いいか」 と思う人、捏造と確信しても誘惑に負ける人。 星爺の感覚では天体写真ファンの30%くらいはAI画像処理を信じたり期待しているようです。 でもまぁ、科学的な趣味を放棄すれば楽しいし目出度いことなのかもしれません。
●オルゴール赤道儀(MusicBox EQ Ⅱ)の出物があります
本稿の作例にも登場したオルゴール赤道儀は生産を完了しています(新型は企画中)が、残りのパーツで3台組めたので格安出物として頒布します。
・オルゴール赤道儀---出物に付き格安価格15,000円(税・送料別)
格安でものにつき外見に少々難あり。ユニテック用に作っていた青いボディ、アルマイト処理無し、逆様にして南半球で使う機能は省略。
ここに取説があります(クリック)。
ここに製品の説明があります(クリック)。
●E-ZEUSⅡはお客様が取付けられる赤道儀を増やしています
どんな赤道儀にも取付けられる、汎用自動導入装置のE-ZEUSⅡは、赤道儀を送っていただくか大型赤道儀は出張して取付ける段取りですが、お客様が取付けられる手法を増やしています。 このたびミードLX200が加わりました。 取付け調整は特別易しいので、興味のある人はお問合せください。
ミードのフォーク式赤道儀には様々な仕組みがありますが、80%はLX200と称される製品です。 口径20cm~30cmまで架台の内部構造は同じです。 赤経・赤緯の駆動ユニットはネジ2本で簡単に脱着でき、バネで押す仕組みのため調整も不要で小型のステッピングモーターで駆動できます。
ここに動画があります(クリック)。
ここに製品の説明があります(クリック)。









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