●JILVA-170をようやく納品できます2023/03/24 20:29

受注してお待たせしているJILVA-170が十数台ありましたが、ようやく全て完成にこぎつけることが出来ました。 これから順次最終チェックをして、メールでお知らせしてから出荷いたします。 よろしくお願い申し上げます。 ※特殊なご要望はもう少し時間がかかります。
昨年の秋と今年の2月に心臓の手術を行ないました。どうしても体が動かなかったのが、ほぼ以前の健康状態に戻ってJILVA-170を完成させることが出来ました。 納品遅れでお叱りも頂戴しましたが、多くの人に応援していただき、長い間お待ちいただいたことに深く感謝申し上げます。 今後は順調に生産できる見込みです。
JILVA-170の精密なギヤ関係は自社の設備でないと作れないため、外注業者さんに依頼できないことが遅れてしまった主な要因です。


大型赤道儀に取付けたE-ZEUSⅡ
自動導入装置のE-ZEUSⅡの方は、協力会社の助けを得て順調に作業をしています。 以下に最近取付けた大型赤道儀をご紹介します。
E-ZEUSⅡを制御するプラネタリウムソフトの純正指定はSUPERSTAR_Ⅴです(https://www.sstar.jp/)。
また、星羊様の制作によるE-ZEUSⅡ用のASCOM Telescope ドライバーをインストールすることにより、アストロアーツ様の「ステラナビゲータ」「ステラショット」でも制御できます。 近年リモート天文用にも注目されているフリーソフトのNINA(N.I.N.A.ニーナ)を用いて、プレートソルビングの位置制御、カメラ、フィルターホイール、フォーカサー、ローテーターなどをまとめて使うことも出来ます。
・星羊様のASCOMドライバソフト(←クリック)l
・NINAのサイト(←クリック)
・日本語の説明 名古屋大学天体研究会(←クリック)


E-ZEUSⅡ最大。ミルロイ天文台の40インチ
オーストラリアにあるクーナバラブランのサイディング・スプリング天文台は、口径3.9 メートル望遠鏡(AAT)や口径124cm UK(United Kingdom)シュミットカメラで有名です。
ここから車で15分の山の上にあるミルロイ天文台はアマチュアの所有で、日本からも機材を預けて定期的に訪れる天文グループがあります。 主力機はその昔サイディング・スプリングから移設された口径40インチ(102cm)望遠鏡。 この赤道儀は12年前に自動導入に大改修されましたが故障してそのままだったので、E-ZEUSⅡの出番です。 モーターまわりがE-ZEUSⅡで採用するシステムと同様だったので、一部を流用してまんまとE-ZEUSⅡ駆動に転用することが出来ました。 E-ZEUSⅡの取付けをしてくださったのは、開発スタッフでもある外山保広さんです。 メーカー修理の見積り○千万円が外山さんのボランティアで最新式の自動導入になり、管理者のダナー女史はとても驚き感謝されたそうです。
※『天文ガイド』2023年1月号にも記事が載っています。

巨大な40インチ・カセグレン望遠鏡は、サイディング・スプリングの研究者用でした。赤経ウォームホイールは480枚のモジュール3なので直径1.5m! 1歯の幅は10mmもあります。
恒星時駆動周波数100.27PPS。大きな鏡筒の高速時のイナーシャ-を弱める工夫を追加しています。
名刺は管理者のダナー女史のもの。


神津牧場天文台の口径76cmドイツ式
群馬県甘楽郡下仁田町にある関東天文協会の神津牧場天文台のアスコ製76cm望遠鏡も、E-ZEUSⅡの自動導入に改造して便利になりました。
主に眼視観測を目的とする天文マニアをメンバーとしている私設天文台です。 通年、天体写真講習会を開催するなどの天文普及活動をしています。 会の運営や会報の発行に力を入れているのは、天体写真家の田中千秋さんです。
E-ZEUSⅡの自動導入に改造した赤道儀のこれまでの最大口径は、美星町に移設した海上保安庁水路部の60cmと、経緯台用のA-ZEUSでは日原天文台の75cmでした(両方とも法月技研製)。

島根県は日原天文台の75cm経緯台(左)と神津牧場天文台の76cmドイツ式赤道儀。

元海上保安庁水路部にあった60cmカセグレン式赤道儀は、岡山県の美星天文台から5kmほど離れた大倉龍王山頂上の、井原市星空公園 ドームに移設されて天文普及や研究に活躍しています。 メカは法月技研製。光学系の研磨は彗星捜索家で研磨技術者の池谷薫さん。

井原市星空公園(←クリック)

菅野松男さんの捜索用35cmシュミット・カセ
世界で唯一人の、新星、超新星、彗星、小惑星を発見された四冠王といえば、元明石天文科学館副館長の菅野松男さんです。 西村製作所の赤道儀にセレストロンC14型口径35cmシュミット・カセグレン望遠鏡を搭載され、ご自宅二階の広いベランダに設置されています。 この赤道儀と旧E-ZEUSの自動導入を長年ご愛用をされましたが、昨年の台風で壊れてしまったため、昨年末に新E-ZEUSⅡへの交換と1階からのリモートのシステムを設置してきました。
昨年5月に逝去された奥様の名前をのついた、小惑星6155番 ヨーコスガノが昨年12月いっぱい観測好機だったそうで、供養のために連続観測をされたいとのご希望でした。

西村製作所の赤道儀は40年も前の古いもので、極軸が極端に北に長い「エルボータイプ」です。 このタイプは鏡筒が赤道儀架台にぶつかることが少ないため、自動導入用にはとても適しています。


阿久津富夫さんのセブ島観測所
惑星観測をはじめとしたアマチュア天文家の大ベテラン阿久津富夫さんが、昨年フィリピンのセブ島に移住され、AKUTSU CEBU OBSERVATORYを作りました。天体観測や天文普及ボランティアだ活動です。 観測機材は日本から移設されました。ドームや大きなスライディングルーフがあります。主力機は自作45cm F4ニュートン式反射望遠鏡で、その他にセレストロンC14や太陽望遠鏡などもあります。
セレストロンC14型35cmシュミット・カセグレンの赤道儀は、駆動装置の電子部が故障していたミード製40cmフォーク式赤道儀をE-ZEUSⅡ駆動に改造して搭載しています。 最近はミードのフォーク式赤道儀の回路が耐用年数を越えたためか(?)E-ZEUSⅡ改造をご希望の人が多いです。 

スライディングルーフに収納されたミードの40cmフォーク式赤道儀には、架台西側のパネルの中にE-ZEUSⅡが取り付けられています。 鏡筒は40cmではなくセレストロンのC14型35cmシュミット・カセグレン。 日本からも多くの来訪者が居ます。地元の天文イベントのときなどは大盛況!



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