●大型用E-ZEUSⅡのご紹介2018/09/29 02:46

今回は自動導入モータードライブの「大型用E-ZEUSⅡ」をご紹介します
E-ZEUSⅡ(イーゼウスツー)は、あらゆる赤道儀に装着できる汎用の自動導入モータードライブ装置です。  ※自動導入にはパソコンが必要です。
20cmクラス以下の小型~中型赤道儀用のバッテリー駆動可能な汎用の標準型」と、大型赤道儀用に個々に適したモーターとドライバ回路を使うAC100V駆動の大型用」の二種類があります。 両者の違いはモーター関係だけなので、大型用E-ZEUSⅡは驚くほど安価になっています。
標準型E-ZEUSⅡ----20万円(取付けと赤道儀の整備は基本無料)
大型用E-ZEUSⅡ----25万円から(    〃    )

E-ZEUSⅡの特長は、
①パソコンをつながない場合は電源ONですぐに動く。
②ステップ飛びや乱れのない正確な追尾と自動導入。
③赤緯は導入完了時に「行き過ぎて戻る動作」で導入位置が正確。
④赤緯にオートガイド時のバックラッシュ補正を搭載。
⑤長焦点ガイドのために赤経・赤緯の低速を微調整可能。
⑥天体とみなせる「地上マーカー」にて日中でも初期設定可能。
⑦地上マーカーは子午線と東西の地平線にあり 任意の位置にも作れる。
⑧指定した時間で赤道儀の追尾を停止できる。
⑨彗星や小惑星などの高速移動天体を追尾できる。
⑩カメラのシャッターをON/OFFできる(別売機能)
※E-ZEUSⅡで自動導入する純正指定のプラネタリウムソフトは、無償添付のYocと12000円のSUPERSTAR_V(←クリック)です。
星翁様制作のASCOM Telescole Driver for E-ZEUS(←クリック)をインストールすると、ステラナビゲータ、ステラショット、TheSkyなども使えます。
SUPERSTAR_Vの自動導入画面。 観測開始時には天体(星など)を導入して、天球の座標を設定する同期(アライメント)が必要です。 E-ZEUSⅡは赤道儀用なので1点アライメントです。
画面の緑色の■印が天体と同じ扱いができる地上マーカーです。 高価な位置記憶式のアブソリュート型エンコーダを赤道儀に内蔵する必要がない、SUPERSTAR_Vの発明とも言えるアイデアです。 デフォルトの■マークの他に任意の位置(遠くの山の頂上など)にも生成できます。 地上マーカーを天体とみなして星の見えない日中でも同期ができます。 観測終了時に地上マーカーに向ければ、次回は同じ位置から同期なしで開始できます。

●様々な大型赤道儀
大型赤道儀は手作りのため、「○○製の○○型」と称していても、内部は個体ごとに異なり全く違う仕組みの場合さえあります。 モーターさえ取付けられればOKなのですが、改造は平易な場合もあれば、どうやって改造しようか頭を抱えてしまうことも少なくありません。
研究者用の大型赤道儀は複雑な構造で 大改造が必要な場合が多いです。 部分微動の赤緯を全周微動に改造する場合は、大型赤道儀のメーカーさんの協力を得て行ないます。
天体望遠鏡博物館の60cmフォーク式赤道儀は、京都大学大宇陀観測所から移築されたもの。 赤経のウォームホイールは直径1メートル近い大きなもので、旧式のモーターを複数使って高速駆動させるため割り込みギヤがたくさんある複雑なものでした。 シンプルなギヤトレインに改造しました。
井原市星空公園は、海上保安庁の旧美星水路観測所を岡山県井原市が国から貸与を受け管理運営している施設です。 月に一度、美星天文台職員の方の指導で観望会を行なっています。
法月技研製の60cmドイツ式赤道儀は、軽自動車のデファレンシャルのような大型のギヤトレインだったので、E-ZEUS用モーターの取付けに苦労しました。

●取り付けが簡単な大型赤道儀も多い
大型赤道儀のE-ZEUSⅡ改造は、基本的に下見調査と取付けに出張します。 が、モーターまわりの写真撮影や寸法の情報をいただいて設計製作し、お客様が取付けられる赤道儀もあります。
ミカゲ光器やアスコ製の赤道儀は内部の空間に余裕がありギヤトレインも単純なので、ほぼ改造無しや簡単なパーツの製作で取付けられることが多いです。
ミカゲ光器350赤道儀の例。 モーターまわりを撮影したり分かる範囲で採寸していただいたり、モーターまわりを送っていただいたりして設計製作することも可能です。
ペンタックスのMS-5に付いているPM型ステッピングモーター。 MS-5には標準型E-ZEUSⅡが使えますが、据え付ける場合は大型用E-ZEUSⅡをお勧めしています。 MS-5は量産機なので内部構造はほぼ同じです。 ウオームネジユニットにモーターが直についた一体構造なので、その部分をを外してカバーと一緒に送っていただければ、すぐに取付けられるように改造して返送します。
上はウオームネジユニットのベアリングを交換して整備し、E-ZEUSⅡ用のステッピングモーターにオリジナルの1/13.5ギヤトレインを取付けたところ。 この状態で返送するので取付けはすぐにできます。 モーターが出っ張るのでカバーに角穴をあけて化粧蓋を取付けます。 赤道儀ごと送っていただければ、必要箇所は無償でオーバーホールするので、そのほうがお勧めです。

●E-ZEUSⅡとパソコンの配置
E-ZEUSⅡ本体はピラーや赤道儀本体に取り付けるのでも、別のケースに収めるのでもかまいません。 観測所内の配置を検討してください。
左はアスコ製の20cm屈折赤道儀で、 E-ZEUSⅡはケースに収めてノートPCと一緒に右奥のワゴンに乗せています。 右の写真は西村製作所の50cm赤道儀の北側にケースに収めたE-ZEUSⅡとノートパソコンを置いた例。

●E-ZEUSⅡは本体の他にパーツもご提供しています
E-ZEUSⅡは、SB工房への直接のご注文の他に、望遠鏡ショップ様でも扱っていただいています。
また、基板やマイコンなどのパーツもメーカー様個人様に関わらずご提供しています。 その場合は責任の所在ために、どこかにE-ZEUSⅡであることを明記していただきます。 しかし、明記されなかったり独自の製品ということになっていたり、回路に改造を施されて困ることがあります。 有効に活用してくださることがほとんどですが、完成品の末端価格(麻薬じゃないですけど…)が、本来のE-ZEUSⅡの何倍にもなっていることもあります。
E-ZEUSⅡのパーツのご利用は何とぞ安全で良心的な使い方を心がけてください。
とくにドームとの連動など難しい制御の場合は、実績のある業者さんをご紹介するので乱暴な改造はおやめくださるよう、この場でお願い申し上げます。

●下取りしたタカハシNJP赤道儀用E-ZEUSⅡ
大きな赤道儀に機種変更されたユーザー様からタカハシNJP赤道儀用のE-ZEUSⅡを下取りしたので、ご希望があればケースなどは新調して格安の13万円でお分けします。 NJP赤道儀でない場合は、別途モーター代金の実費(3万円くらい)をご負担ください。 ※即日売れてしまいました。


※まだ体調が悪くてメールのお返事などが遅れている状態です。 申し訳ありません。 今回の記事は代打ちで作ってもらっています。

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